車両の写真館・形式解説(Cars)


北海道の鉄道車両の形式を簡単に解説します

札幌市交通局(準備中)

711系交流近郊型電車


711系

 昭和43年の小樽〜滝川間の電化開業とともに登場した,日本初の交流専用近郊型電車.北海道の厳しい気候条件に対応するために,雪きり室をはじめとする耐酷寒耐雪装備や1M方式,当時としては最新技術であるサイリスタ位相制御を導入しているなどエポックメーキング的な車両である.昭和42年の銭函〜手稲間の試験電化時に登場した試作車はユニットサッシや折り戸を採用しており,特徴的であったが現在すでに廃車となっている.3ドアセミクロスシートが基本の近郊型車両ではあるが,北海道の気候条件を考慮して,デッキつきの2扉セミクロスシートなっており,急行型車両に近い形態となった.その車内構造を生かして,国鉄時代には急行列車にも使用されていた.JR化後には混雑緩和のために3扉化改造された車両や試験的にロングシート化された車両も存在する.
 札幌圏の電化区間全域で3または6両編成で使用されているが,721系や731系の増備とともに,活躍の場は函館本線の岩見沢以北や室蘭本線の苫小牧― 室蘭間などでのローカル輸送がメインとなってきている.試作車を含む初期の車両は731系に置き換えられる形で大部分が廃車となった.一方では比較的新しい車両に対して冷房改造も平成15年から行われており,711系の活躍はしばらく続くようである.なお現在は在籍車両は全てシングルアームパンタグラフ化が完了しており,また在籍するのは室蘭本線電化時に制作された100番台のみである.


基本編成 クハ711−モハ711−クハ711

721系交流近郊型電車


721系

 昭和63年の札幌駅高架開業に合わせて登場した登場したデッキつき3扉の近郊型電車.対抗する高速バスやマイカーを意識して車内は転換クロスシートが導入されたほか,北海道の近郊型電車でははじめて冷房が装備された.車体は軽量ステンレス製.制御方式は711系と同じサイリスタ位相制御であるが,2両ユニット方式となっている.モーターの工場出力向上とMT比の変更により,最高速度130km/hの高速性能と高加減速度性能の両立を実現している.
 現在に至るまで7回の増備が行われており,車両数も135両とJR北海道の電車では最多となっている.増備の途中からはVVVFインバータ制御への制御方式の変更や車内のデザインの変更がおこなわれた.
 快速エアポート用の6両貫通編成と快速,普通列車用の3両編成があり,731系とともに近年輸送量が急増した札幌都市圏輸送の中核を担っている.快速エアポート編成の4号車は指定席「Uシート」が平成12年から導入されている.Uシートは261系特急車の普通席をベースにしたリクライニングシートを装備している.導入当初は半室であったが,平成16年からは全室に拡大されている.快速エアポートは785系と合わせて日中は15分おきに運転されており,全国的に見てもハイレベルな空港輸送を展開している.編成は普通及び区間快速用に0番台,3000番台,快速「エアポート用に」3100番台,4000番台,5000番台がある,また変則編成1009-5101編成も存在する.なおエアポート用編成も朝の通勤時間帯や深夜は普通列車として運用されており,このときは「Uシート」は別料金なしで乗ることが出来る.


基本編成1 クモハ721−モハ721−クハ721
基本編成2 クモハ721−モハ721−サハ721(Uシート)−モハ721−モハ721−クハ721

731系交流通勤型電車


731系

 平成8年から登場した近郊型電車.VVVFインバータ制御を採用し,回生ブレーキを装備している.車体は721系と同様の軽量ステンレス製.踏切事故時に乗務員の安全を確保するために,前面の強化と高運転台化が行われており,いかつい顔つきになっている.
 急増した札幌都市圏の通勤・通学輸送に対応するため,北海道の車両としてははじめて,デッキなしの3扉オールロングシートの車内となった.冬季間の車内保温のために,暖房の強化や半自動ドアの設置が行われ,ドア上にはJR北海道が独自に開発した"エアカーテン"を装備している.
  731系の大きな特徴として同時期に開発された201系気動車と世界的にも珍しい気電協調運転を行っていることがあげられる.気電協調運転とは気動車と電車を併結させて加速度を協調させて運転することであり,このとき,731系は201系気動車に合わせた性能で運転される.また,721系との併結も可能であり,ラッシュ時には721系と731系の併決列車は数多く見かけることができる.
 ラッシュ輸送に不向きで老朽化が進んだ711系の置き換えとして増備され,現在では小樽―岩見沢間の「区間快速いしかりライナー」を中心に,721系とともに幅広く活躍している.


基本編成 クハ731−モハ731−クハ731

キハ40系一般型気動車


キハ40系

 老朽化したキハ10系や初期のキハ20系の置き換え用に1979年に登場した一般型気動車.キハ40系列は全国的に配置され,運転台の数や,配置地区の気候条件などにより10種類以上のバリエーションがあるが,北海道の車両は酷寒冷地向け,両運転台車のキハ40型100番代と片運転台のキハ48型100 番代.ともに車体は2扉の普通鋼製で,車内はセミクロスシート.キハ40はトイレつき,キハ48はトイレつきとトイレなしの車両がある.エンジンは従来形に代わる新設計のものが用意されたが,車体重量の割には出力が少なかったために,加速が悪いことが欠点となった.  JR化後には多くの改造が行われており,北海道にはワンマン改造車の700番代,学園都市線向け冷房つき高出力化改造車の300番代,キハ400を通勤型に改造した330番代,学園都市線末端区間(石狩当別―新十津川間)用の高出力化改造車の400番代,日高線用高出力化改造車の350番代,700番代に延命改造と高出力化改造を施した1700番代が存在する.また,1998年に映画「鉄道員」の撮影用に旧型気動車風に改造されたキハ40も旭川地区にあった(キハ12-23)が、廃車となり現在は幾寅駅でカットモデルとなっている.  登場から20年に以上経過した今でも北海道のローカル輸送の主役として全道各地でその姿を見ることができる.

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